帰れる場所なんて無い、というのが表題。宙ぶらりんな状態だ。資格を取ろうと勉強していることも、実は今の仕事から逃げ出したい為に自分を誤魔化しているだけなのかもしれない。実家は既に自分にとっての「帰るべき場所」ではないんだな…と思う。捻て言う訳じゃないけれど、他の人が親孝行したい、とか言っているのは俺には正直、ぴんと来ない。何でだろうね?確かにいつも「子は親に対して借りがある」から貸しを返せみたいな態度で接せられて、時にはこちらの人格を根こそぎ否定するようなことを言われてトラウマを植え付けられたり、自分の中では両親は俺にとって「家族に非ず」、と認識しているのか…。いい年して情けないような気もするけど、考えるほど分からなくなっていくし、何処かでスレ違ってしまって、もう二度と取り返せない?それとも最初から存在しなかった?親子の情愛なんてものは?今は試験勉強を言い訳に実家に帰れる時も帰らないようにしている。
俺は自分の人生の終わりは両親よりも早く来るんじゃないかなと漠然と何処かで思っている。資格を取ること=新しい人生の幕開け、みたいには表向きには言っているけれど、さすがにそこまで能天気じゃない。今とは違う仕事が出来る可能性があるけれど、俺自身はすっかり冷めている。何がこうさせた? 情熱の塊だった自分自身は何処へ行った?建前では、人々の役に立ちたいなんて「自己犠牲」の体でやっているけれど、本当は自分の思う通りに仕事が進まないことに対して単に癇癪を起してるだけだろう?自分ではどこかで分かっていて誤魔化している。別に崇高な理念の下に努力しているわけじゃない。過去の自分の決断を正当化する為の「偽善」であり「自己欺瞞」だ。
俺は何をしたかったんだ?そして、今、本当に望んでいることは何だ?逆に一番やりたくないことは?まだ何でも出来ると思っている?俺は俺自身がもう分からない。
去って行った人は二度と振り向かせることは出来ないし、失ったモノは二度と取り返すことが出来ない。俺はそうして自分の手からこぼれて行ったもの達を黙って見ているだけだ――